つば九郎を語る上で欠かせないのが、1999年に登場した妹マスコット「つばみ」の存在です。兄であるつば九郎が「毒舌と静止芸」を持ち味とするのに対し、つばみは圧倒的なダンスパフォーマンスと女子力の高い仕草でスタジアムを魅了しています。
ファンの間で「つばみの中の人」として知られているのは、プロのチアダンスやテーマパークダンサー出身の女性パフォーマーです。グラウンドで見せるキレのあるターンやY字バランス、音楽に合わせた複雑なステップは、本格的なダンス訓練を受けた人間でなければ到底不可能です。長年にわたり特定のイケメン選手に対する情熱的な「推し活」を繰り広げるなど、キャラクター設定を徹底して演じ切る姿勢は兄に勝るとも劣りません。
神宮球場に通い詰めるシーズンシートホルダーの証言によると、「つば九郎とつばみの掛け合いは、台本合わせをしている気配が一切ない」と言います。長年の阿吽の呼吸によって、兄の無茶振りに妹が全力で応え、時には冷たくあしらうという高度なコンビネーションが成立しています。マスコットを単なる着ぐるみではなく、プロフェッショナルな舞台表現者として成立させている現場の熱量がそこにあります。