例年、ファミマのおでん商戦はまだ残暑の残る8月下旬から9月上旬にかけて静かに幕を開ける。朝晩の気温差が開き始めるこの時期、消費者が最初に感じる「温かいものが恋しい」という潜在需要を逃さないためだ。そして寒さが本格化する10月から1月にかけて需要は最高潮に達する。
しかし、近年の店頭風景には明らかな変化が起きている。かつて全店で一律に展開されていたレジ横のオープン什器による販売は、現在では厳選された一部店舗での展開となり、代わりに売場を席巻しているのが「ファミマル」ブランドを冠した袋入りパウチ型のおでんだ。衛生管理の徹底と廃棄ロスの大幅削減を両立させるこのハイブリッド戦略は、現場の負担を軽減しつつ、できたての風味を逃さない最新のレトルト・チルド技術によって支えられている。
レジ横の鍋でじっくり煮込まれた具材を選ぶライブ感を残す店舗と、24時間いつでも自宅で手軽に専門店の味を楽しめるパック販売。ライフスタイルの多様化に合わせたこの二刀流こそが、現代のコンビニエンスストアにおける最適解といえる。