ヴォーノイタリアが直面した急速な縮小の引き金は、旧運営会社である株式会社ル・クールの経営悪化とそれに伴う法的整理(倒産)にありました。2010年代前半、同社はロードサイドを中心とした積極的なフランチャイズ展開により、愛知県発祥のブランドを関東・関西・東海エリアへと一気に拡大させました。しかし、急拡大の裏で店舗管理コストと固定費が重くのしかかり、やがて資金繰りが逼迫していきました。
そこに追い打ちをかけたのが、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大による外食産業全体の打撃と、近年の記録的な原材料費・光熱費の高騰です。帝国データバンク等の調査データや業界動向を分析すると、一般的なビュッフェ・食べ放題業態は原価率を抑えつつ高い客席回転率で利益を出す構造ですが、ヴォーノイタリアの「注文を受けてから1皿ずつ調理するオーダーバイキング」は厨房負荷と人件費が極めて高く、食材廃棄ロスが少ない反面、光熱費や人件費の高騰に対して極めて脆弱な体質を抱えていました。
採算割れに陥った直営店が次々と閉鎖され、旧運営会社が事業停止・法的倒産に至ったことで、ネット上では「ブランド完全消滅」という噂が広がりました。しかし実際には、有力なフランチャイズ加盟企業や別法人へと運営が引き継がれた一部店舗が、看板と提供スタイルを守り抜く形で存続する道を選んだのが実情です。