首都高湾岸線での最高速バトルにおいて、並み居る最新外車やハイパワースポーツを置き去りにした心臓部。それが、「地獄のチューナー」と恐れられた北見淳の手によって組み上げられたL型ツインターボエンジンだ。
ベースとなる直列6気筒L28型エンジンは、ボアアップとストローク変更により3.1リッターへと排気量を拡大。そこに大容量ツインターボチャージャーを組み合わせ、当時の常識を遥かに超える600馬力オーバーのメガパワーを絞り出した。しかし、北見チューンの真髄は単なる馬力競争にはない。
ピークパワーの大きさに反して、ブーストが立ち上がった瞬間に襲いかかる殺人的なトルク特性。エンジンブロックの強度限界を見極め、燃料噴射と点火時期のセッティングを極限まで詰めることで、時速300kmを超える領域でも衰えない空前絶後の加速力を実現したのだ。扱いやすさを一切排除し、エンジンの「命」を削り出しながら回す設計思想こそが、伝説の過激な走りを生み出した最大の秘密である。