バラエティタレントが演劇に進出する際、往々にして世間からは色眼鏡で見られがちだ。いわゆる「話題集めの客寄せパンダ」ではないかという懐疑的な視線である。だが、彼はその偏見を実力だけでねじ伏せた。
世界的な大ヒットアニメ映画『SING/シング』の日本語吹替版で見せたブタのグンター役は、日本中の映画館を熱狂させた。レディー・ガガの難曲をキレ味鋭いダンスとともに歌い上げるその声量とリズム感は、本職のミュージシャンをも唸らせるレベルに達していた。声優としての卓越した才能を証明した瞬間だった。
さらに演劇界へ決定的な衝撃を与えたのが、名作ミュージカル『レ・ミゼラブル』への出演だ。オーディションを実力で勝ち取り、悪徳宿屋の主人テナルディエ役を怪演。コミカルさと底知れぬ人間の狡猾さを同居させた歌声は、帝国劇場の目の肥えた観客からスタンディングオベーションを引き出した。ミュージカル演劇という妥協の許されないクラシックな舞台で、彼は「本物の舞台俳優」としての市民権を完全に手に入れたのである。