一般的に、舌の表面を軽く噛んだ程度の浅い傷であれば、健康な成人で通常3〜5日程度で組織が修復されます。しかし、傷口に口内常在菌が感染して潰瘍化(アフタ性口内炎)してしまうと、治癒までに10日から14日以上の期間を要することになります。早く治すための勝負所は「いかに口内炎化を阻止するか」にあります。
痛みを即効で和らげ、治癒スピードを最大化するための市販薬(OTC医薬品)の使い分けは次の通りです。
1. 舌の傷・口内炎用塗り薬(軟膏タイプ)
患部が舌の側面や裏側など、パッチが密着しにくい場所にある場合は軟膏が適しています。抗炎症作用の高い「トリアムシノロンアセトニド」などのステロイド成分や、組織修復を促す「アズレンスルホン酸ナトリウム」「アラントイン」が配合された製品を選びます。塗布する前に患部の唾液を軽く拭き取っておくと、軟膏が水分を吸収して強固な保護膜を形成し、剥がれにくくなります。
2. 口内炎パッチ(貼るタイプ)
舌の表面など、歯や食べ物が直接当たりやすい部位にはパッチタイプが極めて効果的です。患部を物理的にカバーするため、飲食時の激痛を瞬時に遮断できます。最近では時間経過とともに自然に溶けてなくなるタイプが主流となっており、誤飲のリスクも低減されています。
3. うがい薬(含嗽薬)による殺菌・消毒の使い分け
口腔内の細菌数を減らすことは感染予防に必須ですが、アルコール成分の強い洗口液(マウスウォッシュ)は傷口への激痛と組織障害を引き起こすため逆効果です。抗炎症作用のあるアズレン系うがい薬、または低刺激のポビドンヨード・CPC(塩化セチルピリジニウム)配合のうがい薬をぬるま湯で薄め、優しく口をすすぐのが鉄則です。