エレベーターで一気に地上70メートルの展望室へ上がると、ガラス越しに広がる視界の広さに息をのむ。東西南北に遮るものがほとんどない円形デッキからは、博多湾を滑るように進む壱岐・対馬行きの大型フェリー、志賀島や能古島、そして福岡空港へと高度を下げる航空機の影までもが克明に捉えられる。これが完全入場無料というのだから驚きだ。
大規模な改修工事を経て展望空間はさらに快適さを増した。解説グラフィックの刷新やガラス面の高透過化により、夜景観光・都市景観の観賞スポットとしての実力は福岡屈指のレベルに達している。黄昏時、西の空が茜色から深い藍色へと移ろうマジックアワーには、博多の市街地が放つネオンと港湾クレーンの無骨なライトアップが共鳴し、息をのむようなコントラストを描き出す。