SNSや医療相談掲示板では、「喉の奥をライトで照らしたら透明な丸い水泡があったが、触っても飲み込んでも痛くない」「何週間も消えない」という悩みが数多く投稿されています。
こうした無痛性の病変で最も頻度が高いのが、小唾液腺の損傷によって生じる喉の粘液嚢胞(Retention Cyst / Extravasation Cyst)です。口腔内や咽頭粘膜の下には無数の微小な唾液腺が存在しますが、硬い食べ物による擦過傷や誤咬、慢性的な炎症によって分泌管が詰まると、唾液が粘膜下に溜まり、プツッとした半透明のドーム状結節を形成します。
耳鼻咽喉科の臨床データによると、粘液嚢胞自体は良性病変であり、数日から数週間で自然に破裂して縮小することもあります。しかし、嚢胞の壁(被膜)が残存していると再び唾液が貯留し、再発を繰り返す傾向があります。また、まれに喉頭蓋や声帯近傍に発生した場合、水泡のサイズ拡大に伴って嗄声(声のかすれ)や軽度の嚥下障害、夜間の閉塞感を引き起こすケースがあるため、数週間以上持続する場合は専門医による内視鏡確認が不可欠です。