激しい胸焼けや吐き気に襲われた際、道具を使わずオフィスや電車内でも即座にアプローチできるのが、手にある「内関(ないかん)」と、上腹部に位置する「中脘(ちゅうかん)」です。
1. 胃の不快感と精神的ストレスを同時に鎮静する「内関(ないかん)」
「内関」は手のひら側の手首にある経穴で、心包経に属し、古くから悪心・嘔吐・胸痛の特効穴として知られています。自律神経の乱れを整え、胃の逆蠕動(上向きの不自然な動き)を下向きの正常な動きへとリセットする働きを持ちます。
- ツボの位置:手首の内側にある横じわの中央から、指幅3本分(人差し指・中指・薬指)肘に向かって上がった、2本の太い腱(橈側手根屈筋腱と長掌筋腱)の間にあります。
- 正しい押し方:反対側の親指をツボに当て、手首を包み込むように持ちます。「息を細く長く吐きながら」5秒間かけて垂直にじわーっと圧をかけ、息を吸いながらゆっくり力を緩めます。これを左右それぞれ5〜10回繰り返します。
2. 胃酸過多とみぞおちの痛みを和らげる「中脘(ちゅうかん)」
「中脘」は胃の真上に位置する任脈のツボであり、胃の「募穴(エネルギーが集まる場所)」と定義されています。胃酸過多による胃壁のピリピリとした痛みや、みぞおちの詰まり感を物理的・反射的に緩める中枢ポイントです。
- ツボの位置:みぞおち(胸骨の下端)とおへそを結んだ直線上の、ちょうど中間地点にあります。
- 正しい押し方:両手の中指と人差し指を重ねてツボに当てます。決して強く突き刺すように押してはならず、息を吐きながら上半身を少し前傾させ、指の腹で奥へ優しく沈めこむように3〜5秒押圧します。食後すぐを避け、空腹時や就寝前のリラックスした時間帯に行うのが鉄則です。