現役引退後の坂田は、飲食ビジネスの現場で再起を図っていた。ダイニングバーや居酒屋、フランチャイズ店舗など複数の事業に乗り出し、自ら厨房に立ち腕を振るう日々を送る。事業展開には当然ながら成功と失敗がつきまとう。開店しては話題を呼び、情勢の変化とともに閉店を余儀なくされる波乱の連続だった。
一部の週刊誌は「夫がヒモ状態」「妻の稼ぎを食いつぶしている」と心ない論調を展開した。しかし実情は異なる。坂田は店舗の切り盛りや現場業務に汗を流し、小池もまたオフの日には店に顔を出して客に気さくに接するなど、夫婦二人三脚で事業の荒波に対峙していた。夫が自分の力で立とうともがく姿勢を、小池は何よりも尊重していたのだ。