今注目を集めている 新潟ラーメン界に走る激震!五大潮流の先に見えた新覇権の正体について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

新潟の麺文化を語る上で避けて通れないのが「新潟5大ラーメン」の存在である。全国津々浦々に存在するご当地ラーメンの中でも、ひとつの県内にこれほど極端に方向性の異なる強力なスタイルが共存している例は極めて珍しい。かつてラーメン評論家の石神秀幸氏がその多様性を整理・定義づけて以来、メディアでの紹介は定例化した。テレビ番組『秘密のケンミンSHOW』で新潟市や山形市がラーメン年間支出額の首位争いを繰り広げる様子が放映されるたび、全国の視聴者はこの地の人々の異様なまでの「麺への執着」に目を見張る。

各流派の成立背景には、明確な歴史と必然性がある。極太麺に煮干し出汁、そして丼一面を覆い尽くす白い背脂が強烈な個性を放つ燕三条背脂ラーメンは、洋食器産業に従事する職人たちへ届ける出前文化の中で誕生した。冷めないように油の膜を張り、伸びにくいように麺を太く打つ。生活の切実な要請が、唯一無二のビジュアルを生んだのだ。

一方、冬の寒冷地で身体の芯から温まるために生まれた長岡生姜醤油ラーメンは、豚骨を炊き込んだ濃厚な醤油スープにすりおろし生姜を惜しみなく利かせ、鼻腔を突き抜ける爽快感と重厚な旨味を同居させる。さらに、割りスープで好みの濃さに調整しながら食べる新潟濃厚味噌ラーメン、屋台発祥の澄み渡る新潟あっさり醤油ラーメン、冷えた体を一気に加熱する三条カレーラーメンと、どれひとつとして妥協のない設計思想が貫かれている。