多くの人が誤解しているが、彼らは決して西洋の技術や制度を拒絶していたわけではない。むしろ、幕府主導による緩やかな近代化を目指していた。フランスの支援を受けて横須賀製鉄所を建設した小栗上野介などは、その筆頭だ。薩長が「尊王攘夷」という過激なスローガンで人心を煽っていた時期、幕府側はすでに実利的な開国路線を歩んでいた。
もし幕府が存続したまま緩やかに連邦制国家へと移行していたら、日本はどうなっていただろうか。急進的な廃藩置県による混乱や、その後の軍国主義への暴走は避けられたかもしれない。新史料は、こうした「あり得たかもしれないもう一つの日本」の可能性を私たちに突きつけている。