「昔は『学生向けワンルーム・風呂なしバストイレ一緒』でも飛ぶように売れたんですがね」と、駅前で30年以上不動産業を営む男性は苦笑交じりに語る。
少子化の波と大学側のキャンパス再編、さらには学生側の住環境に対するこだわりが高まったことで、古い学生アパートの空室率は年々上昇していた。そこに目をつけたのが都心の不動産デベロッパーだ。老朽化した物件を一括で買収・解体し、耐震性と防音性に優れたスマートマンションへと建て替える動きが2024年頃から一気に加速した。
今や主要な入居者層は学生にとどまらない。IT企業の完全リモートワーカーや、週の半分を在宅で過ごすハイブリッド勤務の会社員が流入。「家賃を抑えつつ、広い部屋と静かな環境を手に入れる」という合理的な選択肢として、このエリアが再評価されている。