イマジンという存在の根底を理解する上で欠かせないのが、彼らが「未来の時間の運行が失われたことで、本来の実体を喪失したエネルギー体」であるという厳然たる事実です。彼らが現代の地球に飛来した直後の姿は、自我すら希薄な流動する砂の塊に過ぎません。この電王におけるイマジンの契約と砂の関係性こそ、憑依劇の残酷な出発点となっています。
イマジンが確固たる実体を得るための絶対的なイマジンの憑依条件は、現代を生きる人間の肉体に寄生し、その人間の「強い願い」を聞き届ける契約を結ぶことです。東映公式のアーカイブ資料や劇中の描写が示す通り、イマジンは対象の人間に潜り込むと、契約者が心の中で思い描く童話やおとぎ話のイメージを勝手に具現化し、砂を固めて怪人としての固有フォルムを獲得します。
しかし、アニヲタWikiなどの研究者コミュニティでも詳細に検証されているように、イマジンにとって「願いを叶える行為」は契約者の過去の記憶を強く励起させるための口実に過ぎません。契約完了の判定はイマジン側の一方的な独断に委ねられており、詐欺まがいの強引な手段で無理やり願いを成就させた瞬間、契約者の胸に過去へと通じる時の扉(タイムゲート)が穿たれます。大半の敵イマジンは契約者の肉体を抜け出して過去の時間へと飛び立ち、歴史の改変と破壊を試みる構造になっていました。
これに対し、モモタロスをはじめとする味方側のイマジンたちは、時の運行を守る側に回ったため、野上良太郎の肉体に定着し、良太郎の許可を得て表面化する「共同生活」の形態を選択したのです。単なる寄生関係から相互の信頼に基づく共生関係へと昇華した点に、電王という作品の劇的なドラマ性が宿っています。