日本乳業協会の啓発活動でも知られる通り、牛乳パックは高品質なバージンパルプから作られており、耐水性と剛性に極めて優れた優秀なクラフト素材だ。役目を終えてゴミ箱へ直行するはずだった紙容器が、自らの手で切って折る作業を通じて、風という目に見えないエネルギーを可視化する動力装置へと生まれ変わる。
これこそが現代の循環型社会に求められる「アップサイクル」の実体験に他ならない。モノが溢れる時代だからこそ、捨てられる運命にあった素材に知恵と工夫で新たな命を吹き込む。完成した風車をベランダや窓辺にかざした瞬間、勢いよく回り出すカラフルな羽を見上げる子どもの瞳には、既製品の玩具では決して味わえない達成感が宿る。