2009年4月3日夜、TBSのスタジオで開かれた緊急記者会見は、芸能史に残る異例の会見となりました。すでに同年2月22日に入籍を済ませていたこと、そして絢香がデビュー翌年の2007年から甲状腺の病気であるバセドウ病を患っており、年内をもって歌手活動を無期限休止することが同時に明かされたのです。
当時、水嶋ヒロはドラマ『メイちゃんの執事』などで爆発的な人気を博し、絢香も『三日月』などの大ヒットで日本レコード大賞の常連でした。人気絶頂期にあった20代前半の2人が、なぜ交際わずか8ヶ月というスピードで婚姻届を提出したのか。その核心について、水嶋ヒロは会見の席で澱みない眼差しで次のように語っています。
「持病を抱えていることを知り、彼女を守ってあげたい、支えてあげたいと強く思ったことが、結婚を決めた決定的な理由です。結婚して初めて、彼女の病気に対して本当に責任を持って寄り添うことができると考えました」
持病を公表しないまま過密スケジュールに追われ、息切れや動悸、手の震えに苦しんでいた絢香にとって、病をありのままに受け止め、全人生を懸けて守ると誓った水嶋ヒロの存在は、暗闇の中に差した一筋の光でした。絢香もまた、「彼と出会えたことで、病気から逃げずにしっかり治療と向き合おうと決意できました」と涙を滲ませながら振り返っています。外野からの「若すぎるスピード婚」「キャリアを棒に振るリスク」という冷ややかな見方を、2人の間に介在した固い覚悟が一瞬で覆した瞬間でした。