小中学校における不登校児童生徒数が過去最多を更新し、全国で30万人を超える深刻な現状は、もはや一部の家庭だけの問題ではありません。「朝、布団から出られない」「学校に行こうとすると頭痛や腹痛が起きる」――こうしたSOSを発する子どもたちに対し、国や自治体も従来の「登校復帰」を前提とした指導から、学習機会の確保を最優先する学校不登校支援対策へと舵を切りました。
ここで大きな役割を果たしているのが、多様な選択肢の存在です。民間主導のフリースクール現状を追うと、以前のような「学習の遅れを取り戻す一時的な居場所」から、メタバースを活用したオンライン学習、プロジェクト型学習(PBL)などを取り入れた「高度な個別最適化教育の場」へと急速に進化しています。さらに、独自の哲学や体験教育を基盤とするオルタナティブスクールを積極的に選択する家庭も珍しくありません。
また、高校進学期におけるセーフティネットであり、かつ積極的進路として急伸しているのが通信制高校特徴です。通学日数を週1日から週5日まで自由に設計でき、VR空間でのホームルームや専門スキルの習得に特化したコースなど、全日制高校にはない柔軟性を強みにしています。実際に全日制から通信制へ転校した生徒の手記には、次のような心情が綴られていました。
「全日制にいた頃は、毎朝同じ時間に登校し、息苦しい教室で同じペースで受講すること自体に精神を削られていました。通信制に移ってからは、自分の集中できる時間帯に講義動画を見進め、午後は大好きなWebデザインの制作に没頭できています。学校に行けない自分を責め続けていた日々が嘘のようです」
学校を休むことは「ドロップアウト」ではなく、「自分に合った学びの環境を選び直すプロセス」であるという認識が、教育現場と保護者の間で急速に共有されつつあります。