なぜ高用量のミネラルを同時に摂ると問題が生じるのか。その背景には、生理学で広く知られる「ミネラル拮抗作用」が存在する。亜鉛もマグネシウムも、小腸の粘膜細胞を通過する際には主に2価の金属イオンとして扱われ、細胞膜上に存在する同じ輸送タンパク質(トランスポーター)を奪い合う関係にある。
特定のミネラルだけが過剰な濃度で消化管内に送り込まれると、トランスポーターの受容枠が埋め尽くされてしまう。結果として、もう一方のミネラルのキャッチ率が著しく低下し、体内に取り込まれないまま体外へ排出されていく。本来の吸収効率を維持するためには、同時の大量摂取を避けるスマートなスケジューリングが不可欠だ。