皮膚科を受診せずとも、ドラッグストアや薬局で亜鉛華軟膏市販薬を手に入れることが可能です。代表的な市販品には、佐藤製薬の『サトウザルベ』(第3類医薬品・亜鉛華単軟膏製剤)や、各種製薬会社から販売されている第3類医薬品の日本薬局方・亜鉛華軟膏があります。
亜鉛華軟膏処方薬と市販品比較において、有効成分である酸化亜鉛の濃度(多くは10%〜20%)や基本的な薬効に大きな隔たりはありません。ただし、病院で処方される医療用医薬品は医師が皮膚の状態(細菌感染の有無や乾燥の度合い)を診察した上で出されるのに対し、セルフメディケーションでは自己判断が求められる点に留意が必要です。
また、皮膚科の現場で頻繁に行われるのが亜鉛華軟膏ステロイド併用(重層療法)です。激しい湿疹やかゆみがある場合、まず抗炎症力の高いステロイド外用薬を患部に薄く塗り、その上から亜鉛華軟膏を重ねて厚塗り(またはガーゼ貼付)します。ステロイドで素早く炎症を叩きつつ、亜鉛華軟膏で薬の蒸発・摩擦剥離を防ぎながら傷口を保護する合理的治療法ですが、ステロイドのランク選択や併用順序は専門医の指示を厳守することが不可欠です。
なお、亜鉛華軟膏副作用は極めて稀ですが、前述のラノリンによる接触皮膚炎のほか、重度のやけどや深い傷、広範な乾燥性皮膚炎に使用すると患部が過剰に乾いて治癒が遅れる場合があります。「ジュクジュクには向くが、カサカサの乾燥肌には向かない」という原則を覚えておくと安全です。