中園ミホが紡ぐテンポの良い会話劇と、堤真一との切なくも温かい掛け合いで社会現象となった『やまとなでしこ』は、日本のテレビドラマにおける「ヒロイン像とビジュアルの完全なる調和」を決定づけた金字塔である。フジテレビジョンが手掛けた数々の名作のなかでも、ヘアメイクやファッションがこれほど長期にわたり語り継がれる作品は極めて稀だ。
近年では、高画質デジタルリマスター版が配信サービスに並ぶことで、ディテールの繊細さがより鮮明に鑑賞できるようになった。画面越しに伝わる髪の艶や揺れ感の美しさは、CGや過剰なフィルター加工に慣れた現代の視線にも瑞々しく映る。優れたクリエイティブと妥協のないヘアメイクデザインは、四半世紀の歳月を軽々と飛び越えて人々を魅了し続けている。