見た目の不気味さ以上に、現実世界で深刻な脅威となっているのがウミヤツメ(Sea Lamprey)による生態系破壊だ。体長1メートル近くに達することもあるこの大型種は、かつて運河の建設などに伴って北米の五大湖へと侵入。天敵のいない環境で爆発的に繁殖し、在来のトラウトやシロマス類を片っ端から食い荒らした。
この大量発生は、地域の水産業に壊滅的なダメージを与えた。漁獲量は激減し、一時は湖の漁業が崩壊の危機に瀕したほどだ。日本国内においても、水産庁をはじめとする水産行政機関や研究者が、外来種や生態系のバランス変化に関する監視の目を光らせている。人間を直接食べるわけではない。しかし、人間の食糧資源や漁業経済を根底から揺るがすという点において、彼らは間違いなく実質的な「リアルな脅威」なのである。