医療政策の現場でも、こうした受診マナーの欠如に対する危機感は強い。厚生労働省は、医療従事者の過重労働解消と患者安全の確保に向け、適切な医療機関の受診マナー普及を定着させようと動きを強めている。患者側の適切な協力なしに、持続可能な医療体制を維持することは困難だからだ。
また、日本医師会などの職能団体も、良好な患者・医師関係の再構築を強く訴えている。近年定着したインフォームド・コンセント(説明と同意)という概念は、決して患者の身勝手な要求を通すための免罪符ではない。医療者がリスクと選択肢を提示し、患者が納得の上で共に治療へ歩む対話のプロセスなのだ。