宮城の歴史を語るうえで欠かせない存在、それが仙台藩初代藩主の伊達政宗だ。青葉山公園の豊かな緑に抱かれた仙台市博物館では、政宗公が身につけたと伝わる漆黒の「黒漆五枚胴具足」をはじめ、仙台藩ゆかりの国宝や重要文化財がずらりと並ぶ。漆黒の甲冑に燦然と輝く三日月の前立は、訪れる者を一瞬で戦国時代へと引き戻す圧巻のオーラを放っている。
さらに注目の的となっているのが、期間限定で開催されている特別展「伊達政宗と仙台藩の文化」だ。文化庁の協力や貴重な個人蔵の資料が一堂に会するこの特別企画では、武将としての冷徹な政治手腕だけでなく、和歌や茶の湯、能楽を愛した文化人・政宗の美的センスに焦点を当てている。展示室を巡る来館者からは「政宗公の多才さに改めて驚かされた」「仙台の美意識の原点がここにある」と感嘆の声が漏れていた。