1987年に公開された本作は、日本のエンターテインメント界に未曽有の衝撃を与えた。メガホンを取った伊丹十三監督は、それまでお堅いテーマとされてきた「税務調査」を極上のエンターテインメントへと昇華させた天才である。
主演を務めた宮本信子は、おかっぱ頭にそばかす、そして鋭い眼光を持つ主人公・板倉亮子を圧倒的なリアリティで演じきった。個性的でありながら泥臭く仕事に生きる彼女の姿は、当時の邦画界における女性像を根底から覆したと言っても過言ではない。キネマ旬報ベスト・テンや日本アカデミー賞など、当時の主要映画賞を総なめにしたのも頷ける圧倒的な出来栄えだ。