櫻井舞さんが日本テレビに入社したのは2009年4月のことでした。アナウンス部ではなく「報道局」に配属された彼女は、事件や裁判の最前線を取材する社会部記者としてのキャリアをスタートさせます。特に注目を集めたのが、東京地方裁判所や最高裁判所を担当する「司法記者」としての現場リポートでした。
夕方の大型ニュース番組『news every.』や深夜の『news zero』において、重大事件の判決公判直後に法廷前マイクを握り、判決主文や法廷内の緊迫した様子を冷静沈着に伝える姿がたびたび全国ネットでオンエアされました。当時を知る日本テレビ関係者は次のように証言しています。
「彼女は現場で絶対に『櫻井翔の妹』という空気を出しませんでした。司法担当は膨大な判例や法律用語を即座に咀嚼し、秒単位の生中継で正確に要約しなければならない最も過酷な部署の一つです。舞さんは連日、地裁の記者クラブに朝から詰めて分厚い起訴状を読み込み、司法担当キャップの厳しい要求にも食らいついていました」
一部の週刊誌が「兄に似た知的な目元の美人リポーター」と報じたことでネット上では大きな話題を呼びましたが、本人はカメラの前に立つこと自体を目的にしておらず、あくまで「事実を伝える記者」というスタンスを貫き通しました。華美なメイクや装飾を排し、黒や紺のスーツに身を包んでマイクを握る姿勢は、民放キー局の女性記者の中でも極めてストイックなものでした。