分厚い鉄板の上に置かれたパティから、澄んだ脂が勢いよく弾け飛ぶ。取材班が足を踏み入れた厨房で目にしたのは、山梨が誇る最高峰の銘柄牛「甲州牛」を大胆に配合した特製パティの仕込み風景だ。甲州牛の持ち味は、きめ細やかなサシと融点の低さにある。人肌の温度ですら溶け始める上質な脂は、強火で一気に表面を焼き固めることで、外側はカリッとクリスピーに、内部はふっくらとジューシーなロゼ色に仕上がる。
「脂の甘みと赤身の力強いコク、その両方を限界まで引き出す配合比率に辿り着くまでに何百回と試作を重ねました」と店主は語る。粗挽き肉のゴツゴツとしたワイルドな歯応え。噛み締めた瞬間に溢れ出す肉汁の洪水。そこに合わさる自家製のオニオンソテーと焦がし醤油ベースの特製ソースが、肉の力強さをエレガントにまとめ上げている。この極上のグルメバーガーは、一口で既存のハンバーガー観を塗り替えてしまうほどの破壊力を秘めている。