大浴場に足を踏み入れると、高い天井の天窓から柔らかな自然光が降り注ぐ。肌を滑らかに包み込む弱アルカリ性の単純温泉は、日本温泉協会の審査基準でも極めて高い評価を受ける名湯。湯口から絶え間なく注がれる源泉が、日々の疲れと強張った身体を芯から解きほぐしてくれる。
夕餉の膳を彩るのは、派手な演出に頼らない本物の里山料理だ。大分の豊かな大地が育んだ豊後牛の炭火焼き、清流で育まれた川魚、旬の地野菜をふんだんに使った滋味深い小鉢。とりわけ宿の名物として名高いすっぽん鍋やクレソン鍋は、澄み切った出汁の中に素材本来の力強いうま味が凝縮されている。朝食に供される焼き立てのパンやふわふわのスクランブルエッグ、地元産完熟トマトのジュースに至るまで、手抜きのない誠実な仕事が光る。