ある日突然、問い合わせフォームや代表メールアドレス宛てに届く数行のメッセージ。「登下校中の児童を誘拐する」「指定の施設を爆破する」。文面は幼稚で荒唐無稽に見えるものも多いが、受け取った側が一顧だにせず放置することは絶対に許されない。万が一のリスクを考慮すれば、自治体は臨時休校やイベント中止を余儀なくされ、地域社会の経済や日常業務は麻痺する。
こうした行為は明白な威力業務妨害罪や脅迫罪に該当する重大な刑事事件である。だが、犯人側の動機は愉快犯的な承認欲求から、社会の混乱そのものを楽しむ愉快犯、さらには特定の団体を貶めるための工作まで多岐にわたる。物理的な凶器を持たず、指先ひとつで街全体をパニックに陥れる手法は、まさに「安価なデジタルテロ」と呼ぶにふさわしい凶悪さを帯びている。