この店が提示しているのは、単なる焼き鳥の枠に留まらない「炭火焼き鳥・日本料理割烹」という新たな地平だ。旬の和野菜を炭火で丁寧に仕立てた小鉢や、澄んだ出汁の旨味を利かせたお椀など、日本料理の確かな技法に裏打ちされた一品料理がコースの合間に差し挟まれる。この緩急の妙が、濃厚な串の味わいをさらに引き立てる。
成熟期を迎えた現代の外食・フードサービス産業において、専門性と割烹スタイルの融合は大きな潮流となっている。大衆食の代表格であった焼き鳥を、世界に誇るガストロノミーへと昇華させる試みは、外食産業全体に刺激を与え続けている。伝統を敬いながらも革新を恐れない姿勢が、新たな価値を生み出しているのだ。