JR中央本線の列車が山間を縫うように走る長野県木曽郡上松町。豊かな自然と宿場町の風情を残すこの町の一角に、スナック「ナイトインナイト」はある。木曽の静寂な夜のなかで、そのネオンサインはまるで灯台のように温かく輝く。
扉を押し開ければ、カラオケのメロディとグラスの氷がぶつかり合う心地よい音が重なり合う。迎えてくれるのは、息子の活躍を誰よりも力強く祈り続けてきた大道マルガリータさんだ。初対面の客であっても、昔からの常連であるかのように迎え入れるその包容力。彼女の眩しい笑顔こそが、この空間を満たす最大の魅力に他ならない。