浴室の床掃除で最も多い悩みが、「中性洗剤でこすってもビクともしない」という現象です。この原因は、床に付着している汚れの「化学的性質の違い」にあります。
浴室の床には、主に以下の4つの異なる汚れがミルフィーユのように何層にも重なり合っています。
1. 皮脂汚れ・油分(酸性)
身体から洗い流された皮脂やシャンプーの油分が床に蓄積したもの。放置すると空気に触れて酸化し、ベタつきや薄い茶褐色の変色を引き起こします。
2. 石鹸カス・金属石鹸(アルカリ性または酸性)
石鹸やボディソープの成分が水道水中のミネラル(カルシウムやマグネシウム)と結合した「金属石鹸」は水に溶けず、白っぽいカチカチした膜を作ります。一方、皮脂と結合した「脂肪酸石鹸」はベタついた黒ずみの温床になります。
3. 水垢・カルシウムスケール(アルカリ性)
水道水が蒸発する際に、水中に溶け込んでいるケイ素やカルシウムなどのミネラル分だけが結晶化して残ったもの。これが乾くと「白いモヤモヤ」として浮き上がります。
4. 黒カビ・赤カビ(微生物)
ピンク色にヌメる「赤カビ(ロドトルラ)」は酵母菌の一種で繁殖スピードが極めて速く、これを放置すると皮脂や石鹸カスを栄養源にして根の深い「黒カビ(クラドスポリウム)」へと進行します。床の微細な凹凸に入り込んだ黒ずみの多くは、酸化した皮脂と黒カビが複合化したものです。