スマートフォンの画面をスクロールすれば、食べログの星評価やGoogle マップのピンが瞬時に店を教えてくれる。YouTubeでも数々のフードクリエイターが「絶品すする旅」を配信し、情報を手に入れること自体は容易になった。
しかし、画面越しでは伝わらないものがある。厨房から漂う芳醇な出汁の蒸気、店主が平ザルで麺を湯切りする小気味よい音、常連客との短いアイコンタクト。星の数だけでは測れないドラマが、元町の狭いカウンター席には息づいている。アルゴリズムが弾き出す平均点ではなく、自分の五感で引き当てた一杯にこそ、替えの利かない感動が宿る。