大英帝国「栄光ある孤立」の真相|なぜ最強国家は日英同盟を選んだのかを詳しくリサーチ! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。

世界史を学ぶ際やニュース解説において、「栄光ある孤立」と「光栄ある孤立」という2つの表記を目にすることがあります。結論から言えば、これらはどちらも英語の「Splendid Isolation」を日本語に訳したものであり、意味上の違いはありません。文部科学省の検定教科書や学術出版物では古くから「栄光ある孤立」が多く採用されてきましたが、一般の教養書やメディアでは「光栄ある孤立」と表現されることも多く、どちらを用いても歴史的誤りではありません。

この言葉の起源を公文書から辿ると、実はイギリス本国ではなく、1896年1月16日にカナダの政治家ジョージ・フォスター財務大臣が議会演説で用いた表現が発端とされています。当時、ベネズエラ危機などを巡ってイギリスが欧米列強と対立していた際、フォスターは「大英帝国は誇り高き孤立を保っている」と賞賛しました。この演説を報じたロンドン・タイムズ紙などを通じて言葉が定着し、当時の首相ソールズベリー侯爵が自らの外交哲学を象徴するフレーズとして肯定的に受け入れたことで、歴史的な外交用語として定着しました。

世界史の文脈でわかりやすく捉えるならば、「どこの国とも組まない孤独」ではなく、「どの陣営にも縛られず、常に自国の利益のためにフリーハンド(自由行動の余地)を握り続ける戦略的自立」を指す言葉です。