時代は巡り、2026年。TikTokやSpotifyを中心とした世界的な80年代・90年代・2000年代サウンドのリバイバルにおいて、RIP SLYMEの初期作品が再び若者層のリスナーを獲得している。生楽器をフィーチャーしたオーガニックなトラックに、計算し尽くされたラッパーたちの掛け合い。現在の極限までエディットされたトラップやハイパーポップとは対極にある「生の Groove」が、一周まわって新鮮に響いているのだ。
特にZ世代のクリエイターからは、PESのメロディラインに対するリスペクトの声が絶えない。「ポップスとして成立しながら、コアなヒップホップのグルーヴを失わない絶妙なバランス」は、現在のインディーシーンにおけるソングライティングの教科書となっている。