教育環境の特異性ゆえに、入学後の受け止め方は学生のバックグラウンドによって鮮明に二極化します。取材班が入手した現役生および卒業生の生の声から、現場のリアルな葛藤を浮き彫りにします。
「最初の学期は地獄でした。高校まで海外経験ゼロのいわゆる『純ジャパ』だったので、ディスカッションで英語のスピードについていけず、発言できないまま授業が終わる日々。課題をこなすだけで毎日睡眠時間は3時間、本気で進学を後悔しました」(現役3年生・国内一般入試組)
言語社会学および教育心理学の観点から見ると、母語以外の言語で高度な学術概念を扱うプロセスでは、一時的な自己肯定感の低下や「言語不安(Foreign Language Anxiety)」が生じやすくなります。自分のアイデンティティを再構築するまでの間、強いストレスに晒されるのは構造的な必然とも言えます。
一方で、この過酷な試練を乗り越えた先にある成長実感は他学部の追随を許しません。
「2年次の必修留学と、多国籍なゼミでの激論を乗り切ったことで、世界中どこに行っても臆せず自分の意見を通すタフネスが身につきました。就職活動の面接でも、単なる『英語が得意な学生』ではなく『異文化の対立を調整できる人材』として評価されたと感じます」(大手総合商社勤務・卒業生)
学友と切磋琢磨し、自己の限界を押し広げられるかどうかが、「後悔」で終わるか「飛躍の契機」となるかの決定的な分岐点となっています。