話題沸騰中の 長山洋子『捨てられて』大ヒットの真相と三味線立ち弾き秘話について、多角的な視点をご紹介しています。

長山洋子のステージにおいて、観客の度肝を抜いたのが「津軽三味線の立ち弾き」というパフォーマンススタイルです。通常、三味線は正座して膝の上に構えて演奏するのが伝統的な作法であり、重厚な津軽三味線(太棹)を立ったまま演奏することは、楽器の重さやフォームの維持という観点からタブーに近いとされていました。

しかし長山は、ギターストラップのような特注の肩掛けバンドを用いて、重量のある太棹三味線を抱え、仁王立ちの姿勢でバチを叩きつけるようにかき鳴らしながら歌うという前代未聞の演出を取り入れました。このアイデアは、彼女が幼少期から培った確固たる撥(ばち)さばきの技術と、ロックやポップスのライブで培ったステージングの感覚が見事にスパークした結果でした。

関係者の回想録によると、立ち弾きを始めた当初は「伝統芸能への冒涜ではないか」という保守層からの懸念の声も一部にありました。しかし、生演奏を目の当たりにした観客はその凄まじい音圧とテクニックに圧倒されます。撥が皮に当たる鋭いアタック音と、ブレない芯のあるロングトーンの歌唱力は、演歌ファンのみならずロックファンや若いリスナー層までも熱狂させました。

この「立ち弾き」のスピリットは、『捨てられて』で見せた革新的なアプローチとも地続きであり、型にはまらない彼女のアーティストとしてのアイデンティティそのものを象徴しています。