二人の特別な関係の原点となったのは、2011年に上演された舞台『クレイジーハニー』での初共演です。気鋭の劇作家・本谷有希子氏が手掛けた本作で、長澤まさみさんはプレッシャーと闘いながら過激な役柄に挑んでいました。
稽古中、ストイックに役作りに没頭する長澤さんを精神的に支えたのがリリー・フランキーさんでした。その過程で二人が始めたのが、ファンの間でも有名な「交換日記」です。日々の稽古の悩みやプライベートの葛藤、他愛のない雑談などをノートに綴り合い、互いの内面を深く知るきっかけになりました。
長澤さんは当時、子役時代からの清純派イメージを脱皮し、本格派女優へとステップアップする重要な過渡期にありました。誰にも弱音を吐けなかった彼女にとって、カルチャー界の酸いも甘いも噛み分けたリリーさんの言葉は、何物にも代えがたい救いとなったのです。