彼のキャリアにおける大きな転機となったのが、80年代初頭のギャグアニメの金字塔『Dr.スランプ アラレちゃん』だ。作品内で演じた個性豊かなキャラクター群は、コミカルな芝居の引き出しを劇的に広げるきっかけとなった。鳥山明ワールド特有のテンポ感とシュールな笑いを見事に捉え、番組の爆発的なヒットを陰で支えた功績は大きい。
この時期に培われた柔軟な表現力は、その後の様々なアニメーション作品への引っ張りだこな状況を生み出した。主役を静かに引き立てつつも、ひとたび声を発せれば画面の空気を一変させる存在感。単なる声の出演にとどまらず、作品全体のトーンを決定づけるキーマンとしてのポジションを確立していったのだ。