昭和の熱気が残る映画館、上野特選劇場の魅力と限定特典の全貌の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。

この劇場の歩みを語るうえで、運営母体である大蔵映画株式会社の存在を外すことはできない。戦後の興行界を牽引し、独自の配給網と制作体制で日本の成人映画シーンを支え続けてきた名門である。同じ建物に居を構える上野オークラ劇場とともに、上野の地で映画の灯を灯し続けてきた。

1960年代から70年代にかけて、この界隈のスクリーンは若手映画人の野心的な実験場だった。のちに日本映画界に強烈な足跡を残す若松孝二をはじめとする先駆者たちが、限られた予算とスケジュールの中で極限まで表現の自由を追求した舞台こそが、この場所だったのだ。低予算映画という枠組みを逆手に取り、社会への怒りや人間の業を生々しくフィルムに焼き付けた当時のエネルギーは、今も劇場の壁の奥深くに染み込んでいる。