現代の最新ヘルメットがFRPやカーボンファイバー、多重構造の発泡スチロールで安全性を極限まで高めているのに対し、コルクヘルメットの魅力はどこか泥臭い「手触り」にある。つば部分の絶妙な反り立ち具合、耳当てに使われた合成皮革の質感、そして着脱時のパチンという金属音。これらは工業製品というよりも、どこかクラフトマンシップを感じさせる。
とりわけコレクターの間で神格化されているのが、あご紐の固定部に3つのスナップボタンを配した構造だ。風圧でめくれ上がるのを防ぐ実用的なデザインでありながら、それがデザイン上のアクセントとなり、無骨なシルエットの中に洗練された美を生み出している。