「たかがスマートフォンの充電で処分されるわけがない」という油断こそが、最大の罠である。日本の刑法第245条では「電気は、財物とみなす」と明確に定められており、会社に無断で個人の端末を充電する行為は法理論上、電気窃盗罪(窃盗罪)に該当し得る。電気代に換算すれば1回あたりわずか1円未満の金額かもしれないが、他人の所有物を無断で消費したという法律上の事実に変わりはない。
さらに見落としてはならないのが、企業の就業規則だ。懲戒処分の要件として「会社の備品や施設を私的に利用・流用したとき」という項目が盛り込まれている場合、刑事上の立件に至らずとも、社内での戒告や減給、最悪の場合は懲戒解雇のリスクすら浮上する。会社が認めていない私的給電を放置することが、管理職の怠慢や組織全体の規範緩みにつながるとして、企業側も厳しい姿勢を強めている。