なぜ昭和から平成にかけて、これほど多くの芸能人が創価学会に入信し、現在もその影響が語られるのか。その理由は単なる宗教的熱心さだけでなく、芸能界特有の労働環境と心理的構造に密接に結びついています。一握りの成功者の陰に無数の挫折者が存在する芸能界は、明日仕事があるか分からない極度の不安と背中合わせの業界です。
最大の要因は、1962年に発足した「芸術部」の存在です。芸術部は、俳優、歌手、お笑い芸人、裏方のスタッフや音響・照明技師までを組織化し、定期的な会合で互いの苦境を励まし合う強固なピアサポート(当事者同士の支え合い)の場として機能してきました。売れない下積み時代、誰からも評価されない孤独に苛まれる若手にとって、「あなたの才能には使命がある」と肯定され、先輩タレントから食事をご馳走されたり舞台のチケットを買ってもらったりする体験は、計り知れない精神的・経済的支柱となったのです。
さらに、創価学会員による強固な組織購買力・動員力も無視できませんでした。舞台公演を行えば学会員が劇場を満席にし、新曲が出ればCDを何枚もまとめ買いして有線リクエストを回すといった「ファンダム」に似た支援体制が、かつての芸能ビジネスにおいてタレントの生命線を支えたことは業界関係者の間でも周知の事実です。