突如として発表された休養劇の真相は、「急性心筋炎」および「心外膜炎」という重篤な心臓疾患だった。心臓の筋肉や外膜に激しい炎症が起き、ポンプ機能が著しく低下するこの病は、最悪の場合、心不全や致死性不整脈を引き起こす危険を孕む。発症当時の悲痛な体験について、のちに本人が語った言葉は重い。ICU(集中治療室)での処置、襲いかかる激痛と底知れぬ恐怖。いつ心臓が止まってもおかしくない緊張感の中で、彼はただ静かに耐え忍ぶしかなかったという。
風邪に似た初期症状から急速に悪化するのが、この病の実に恐ろしい点だ。体調の異変を感じて医療機関へ駆け込んだ時には、すでに自力で歩くことすら困難な状態に陥っていた。あとわずかに処置が遅れていれば取り返しのつかない事態になっていたかもしれない——医師から告げられた切迫した言葉は、彼自身の死生観を根底から揺さぶることとなった。