植松聖死刑囚の現在とやまゆり園事件の深層|映画『月』が抉る闇の基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。

事件が起きたのは2016年7月26日の未明だった。元職員であった男は深夜の施設に侵入し、抵抗できない重度障害者を次々と刃物で襲撃した。犯行現場に残された凄惨な痕跡と、出頭時の平然とした態度は世界中に激しい衝撃を与えた。

特筆すべきは、犯行の根底にあった極端な優生思想である。「意思疎通の取れない人間は生きている価値がない」という独善的な妄信を公言し、衆議院議長公邸に犯行予告の書簡を届けるなど、周到かつ異常な計画性を帯びていた。人間を生産性や能力で序列化する差別意識は、決して彼個人の妄想にとどまらず、社会の底流に潜む無意識の偏見を露悪的に映し出す鏡でもあった。