1990年代、フジテレビ系で放送された『料理の鉄人』において、「中華の鉄人」として登場した陳建一氏の勇姿は今も語り草だ。黄色いコックコートを身に纏い、どんな突飛な食材を突きつけられても笑顔を絶やさず、圧倒的な手際で極上の料理に仕立て上げる姿は全国の視聴者を熱狂させた。
一方で、NHKの長寿番組『きょうの料理』などの教育・情報メディアを通じ、プロの秘密や家庭での再現コツを惜しげもなく披露し続けたことも忘れてはならない。難解と思われがちだった四川料理の手法を、親しみやすい語り口で全国の茶の間に届けた功績は、日本の飲食業界全体に計り知れない影響を与えた。