シングル『あした』がリリースされたのは1989年3月15日。日本中がバブル景気の熱狂に沸き立ち、軽薄短小なトレンディカルチャーが席巻していた時代でした。その渦中にドロップされた重厚で切実なマイナー調のバラードは、オリコンチャート上位へ即座にランクインし、音楽シーンに鮮烈なカウンターパンチを浴びせました。
本作の爆発的な知名度を後押ししたのが、国際電話サービスKDD(現・KDDI)「001」のCMソングへの起用です。女優の工藤夕貴が出演し、遠く離れた異国と日本を繋ぐ情景に、中島みゆきのドラマティックな歌声と瀬尾一三による重厚なストリングスアレンジが重なり、お茶の間に強烈な余韻を残しました。
収録アルバムとしては、同年に発表されたオリジナルアルバム『Night Wings』や、翌1990年のアルバム『夜を往け』のツアー展開、さらにはミリオンセラーを記録したベストアルバム『大銀幕』『Singles II』などにも収録され、現在でも彼女のキャリアを語る上で外せない重要作として位置づけられています。