ジョイマンは、ボケ担当のジョイマン高木(高木晋哉)とツッコミ担当のジョイマン池谷(池谷和志)によって2003年に結成されたコンビです。中学校の同級生だった二人はNSC東京校8期生としてプロの門を叩きましたが、初期は正統派のコントや漫才を試行錯誤するものの、オーディションにすら受からない苦渋の日々を過ごしていました。
転機となったジョイマンリズムネタ誕生秘話は、まさに絶望の淵から生まれた偶然の産物でした。当時の特番インタビューや自著・手記で語られた回想によると、正統派漫才で行き詰まりを感じていた高木が、ネタ合わせ中に突如として脱力したステップを踏みながら意味のない言葉を口ずさみ始めたことが発端とされています。もともとヒップホップカルチャーやラップ音楽を好んでいた高木が、自身の飄々とした佇まいと組み合わせることで、「まったくHIPじゃないラッパー」という逆転の発想に辿り着いたのです。
高木の奇妙なステップに対して、相方の池谷が戸惑いながら発した魂の叫びこそが「なんだこいつー!」でした。常識的なツッコミではなく、観客の感情をそのまま代弁するリアクションが加わったことで、唯一無二のフォーマットが完成。ネタ中に登場する代表的なナナナナ落花生元ネタのように、「ナナナナ〜ナナナナ〜」という助走のリズムから唐突に「落花生」「軟骨ポロリ」といった無関係な名詞へ着地する構造は、見る者の予想を心地よく裏切り、強烈な快感を脳内に残す発明となりました。