ナンセンスな笑いは一見いい加減に見えるが、実は極めて高度な職人技に支えられている。ハリウッドで異彩を放ち続けるウィル・フェレルはその象徴だ。彼が演じるキャラクターたちは、常に過剰なまでの自信と致命的な愚かさを同居させ、観客を爆笑の渦へと巻き込む。彼が拓いたコメディの地平は、現代のあらゆる表現者に影響を与えた。
一方、イギリスからは洗練されたユーモアとオタク的愛情を融合させた異才が現れる。サイモン・ペッグが主演・脚本を務めた『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、ホラーの定番を愛のあるパロディで包み込み、現代のコメディ映画における最高峰の金字塔として君臨した。バカバカしさを真剣に突き詰める情熱こそが、時代を超えて愛される作品の共通点である。