バラエティ番組に出演した際、中野英雄が嬉々として語るのが数々の恐妻家 エピソードです。画面越しには凄みのある強面俳優として知られる彼が、家庭内では完全に妻の「舎弟」と化しているというギャップは、長年視聴者を楽しませてきました。
テレビ特番やトーク番組で明かされた代表的な証言には、次のようなものがあります。
- 完全な小遣い制:ギャラはすべて多加美社長が管理し、中野英雄には毎月決まった小遣いが支給される。無駄遣いをすると徹底的に使途を追及される。
- 正座での反省会:家庭内で失態を演じたり、夜遊びが過ぎたりした翌日には、リビングで多加美氏の前に正座させられ、淡々と説教を受ける。
- 絶対的な家庭内序列:中野英雄自身が「家の中で一番順位が低いのは俺。犬よりも下かもしれない」と公言して憚らない。
しかし、これらのエピソードを単なる「鬼嫁と気弱な夫」という図式で片付けることはできません。関係者の証言によると、中野英雄がどれだけ妻の恐ろしさを語っても、そこには常に深い尊敬と感謝が滲み出ています。若い頃に道を踏み外しそうになった自分を命がけで正道へ引き戻し、役者として生きていく道を整えてくれた恩人だからこそ、中野英雄は喜んで頭を下げ続けているのです。恐妻家の看板は、実のところ二人が半世紀近くかけて築き上げた「絶対的な信頼の裏返し」と言えます。