中国が南鳥島の領有権を主張?レアアース泥争奪の真相と防衛最前線とは一体何なのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。

南鳥島が国際的な地政学の焦点となった最大の要因は、海底に眠る規格外の鉱物資源です。東京大学や海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの調査チームにより、南鳥島沖の水深約5,500〜6,000メートルの深海底に、高濃度のレアアースを含む泥(レアアース泥)が1,600万トン以上堆積していることが判明しました。

この埋蔵量は、ハイブリッド車や電気自動車(EV)のモーターに不可欠なジスプロシウムで世界需要の数百年分、レーザーや光学ガラスに用いるテルビウムでも数百年分に相当する天文学的な規模です。さらに、海底の山(海山)斜面には、リチウムイオン電池の材料となるコバルトやニッケルを豊富に含んだコバルトリッチクラストが広範囲に付着しています。

世界のレアアース供給網は長年にわたり中国が圧倒的なシェアを握り、輸出規制などを外交カードとして用いてきました。南鳥島の資源化が実現すれば、日本の「脱・中国依存」が一気に加速するだけでなく、世界のサプライチェーンマップが根底から覆るため、中国にとって極めて大きな脅威に映っています。